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真夏の夜に怪談でもひとつの巻釣り日記
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真夏の夜に怪談でもひとつの巻


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投稿日付:12/07/31 23:51
今から8年前の秋。

東伊豆の蓮着寺の地磯「ダセンバ」へ釣りに出かけた時の話。

この磯は駐車場から歩いて25分ほどかかるため、訪れる釣り人はあまり多くない。

この日も、休日だったにもかかわらず、私の他に釣り人は誰もいなかった。

釣りをしていると、後ろの方で話し声がした。

複数の中年の男女が、ぼそぼそと何かをしゃべっているのだが、音量が小さくてラジオが鳴っているような感じで、内容はよく聞き取れない。

見物客でもいるのかな?そう思い振り向いたが誰もいなかった。

磯の裏には自然研究路という遊歩道がついているので、ハイキングの客が通りすぎて行ったのかなと、考えた。

釣りを再開してしばらくすると、背後からまた小さな話し声がする。

振り返る。
誰もいない。

それの繰り返し。

釣りに集中できないので、とりあえず無視して夕まずめまで釣りを続行するうち、いつのまにか聞こえなくなった。

魚はそこそこ釣れたので、満足して釣りを終え、道具を片付けて帰る頃には、すっかり暗くなっていた。

キャップライトをつけて、林の中の小道を歩いて帰る。

街灯などひとつもないので辺りは真っ暗だ。

ざっざっと落ち葉を踏む、私の足音に混じって、背後から例のぼそぼそと話す声が聞こえた。

驚いて足を止めると、ピタリと声も止んだ。

暗闇に広がる静寂。
私は恐ろしくて振り返ることができなかった。

また歩き始めると、また背後で話し声が始まる。

ヤバい、何か着いてきている
(;゜Д゜)

いやな汗が背中を流れる。
私はとにかく早歩きで道を急いだ。

やがて道が大きくカーブしたところで、声がだんだん小さくなり、着いて来なくなった。

なんとか振り切ることができたようだ。

この近くには蓮着寺という法華宗の霊場がある。日蓮聖人が鎌倉幕府によって伊豆に流罪された場所だという。

私が声を聞いた林の中には、墓場があります。

それ以来、ダセンバの磯にはあまり行ってません。



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