茅渟(ちぬ)の海
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この記事のコメントを読む(4件)
投稿日付:11/09/04 17:35
コメント歓迎
初めに
長々ダラダラ書き込みます
題 チヌについて
茅渟(ちぬ)の海~大阪湾~
大阪が「なにわ」と呼ばれていたのも「魚場(なにわ)」すなわち魚の豊富な海という説もあります。また、大阪湾は古来より「ちぬの海」と呼ばれるほどに魚介類の豊富な海でもあります。
波打ち際から少し離れて小さな砂丘が続きます。砂丘は幾重にも重なり、砂丘と砂丘の間には細長い潟が横たわります。白い砂山の頂上のあたりには、青みを帯びた松林が密生しています。松の根元には、ハマエンドウの可憐な花も咲いていたでしょうか。
砂丘の小山には、時に切れ目があり、潟が海に通じています。その入り口は葦の芽の鮮やかな若緑に彩られています。汐入りの潟は小さな湖のように横長く、次々と続きながらに砂丘の間に入り込んで、その中は葦が密生しています。満ち潮とともに海と繋がり、下げ潮には早い潮の流れが押し
出します。葦の根元には、さまざまな小魚たちが群れ集い、それを目当てに、水鳥の群れも集まっていたことでしょう。
時折水面に大きな水しぶきを立てるのはスズキかもしれません。密生する葦の間の水路には黒々とした背びれを、わずかにゆらし、王者の威厳を持ちながら、ゆったりと泳ぐ体高のある魚も見えたでしょう、大阪湾を象徴する魚「ちぬ(クロダイ)」の姿です。
あるとき、そうした海岸に沿って、底は丸太を刳り貫き、その上に船板を組み上げた、いまも埴輪にその姿が残っているような造りの船の一団が通り過ぎていきました。カムヤマトイワレビコ(のちの神武天皇)たちの一団でした。
遠く九州の日向を出発してから十六年余りの遠征の旅の終着としてなかつ国である大和を目ざして、葦の密生した河内(かわち)の孔舎衛(くさえ)坂から大和に入ろうとこころみ長髄彦たちの激しい抵抗にであって敗退し、兄の五瀬命は重傷を負っています。船を操っている若者たちは、髪を左右に分け、耳のところ
で耳頭良に結った姿です。
遠浅の砂浜の連続に、船を寄せる岸さえ見つからず、南へ辿るうちに、大津川の河口にさしかかります。大津(小津)とはその名の通り、河口にある船泊だったのです。
そのころ、大津川や、すぐ近くの春木川の中流付近には坂本氏、春木氏、そして茅渟(ちぬ、知奴、智沼、血奴)氏などの豪族が住みついていました。旅の人々を手厚くもてなすのが古代の人々のならわしです。傷ついた戦人たちに敵意がなく、しかもこの地に長く止まる野心がないと知ると、さまざまな食べ物を届けていたわります。このときに茅渟氏がもたらした
のが、後々、難波の宮の時代まで、茅渟氏が捧げる特権を持つにいたる「ちぬ」という名の魚であり、この魚が多くすむ海、すなわち大阪湾が「ちぬのうみ」という名でよばれる所以になったとされています。
いま、泉大津市に含まれ、いつのころからか助松とよばれていたあたりの松林の中には、たしか茅渟氏の小さな社が残されていたはずだと記憶しています。茅渟氏の人々は、きっと海辺で魚貝などを採取して暮らしていた海人たちの集団だったにちがいありません。遺跡からは網の下につけられていたであろう、素焼きで出来た中通しのオモリや、イイダコしか入れな
い小さな蛸壺も出土します。石を磨いて作った銛の先も出てきます。だが、釣りバリはあまり多くありません。遠浅の砂浜は、岸からの釣りにはあまり向いていなかったのかもしれません。
潟の中の汐は、雨が降れば、砂の底からにじみ出る雨水で甘くなり、海が荒れて大波が水路から打ち寄せれば、汐が濃くなります。こうして塩分の濃さが頻繁にかわる汽水域が「ちぬ」とよばれる雑食性の魚たちには格好の棲みかだったのでしょう。
風に吹かれてざわざわと鳴る葦の葉は、日差しをいっぱいにうけ、ふんだんに水の中に酸素を送り
込みます。葦の根方は、魚たちが卵を産み、稚魚が育つ間、大魚に襲われることなく、空を飛ぶ鳥たちからも守ってくれる安全このうえもない場所だったことでしょう。
それぞれの生き物たちが、生命を保つための最小限度の争いが繰り返されるだけの、ささやかで、おだやかな世界だったにちがいありません。葦の根を洗って流れる水は、美しく澄み切っており、さまざまな生き物たちの命をしっかりと支えてくれていたのです。
お付き合い
有り難う御座いました
長々ダラダラ書き込みます
題 チヌについて
茅渟(ちぬ)の海~大阪湾~
大阪が「なにわ」と呼ばれていたのも「魚場(なにわ)」すなわち魚の豊富な海という説もあります。また、大阪湾は古来より「ちぬの海」と呼ばれるほどに魚介類の豊富な海でもあります。
波打ち際から少し離れて小さな砂丘が続きます。砂丘は幾重にも重なり、砂丘と砂丘の間には細長い潟が横たわります。白い砂山の頂上のあたりには、青みを帯びた松林が密生しています。松の根元には、ハマエンドウの可憐な花も咲いていたでしょうか。
砂丘の小山には、時に切れ目があり、潟が海に通じています。その入り口は葦の芽の鮮やかな若緑に彩られています。汐入りの潟は小さな湖のように横長く、次々と続きながらに砂丘の間に入り込んで、その中は葦が密生しています。満ち潮とともに海と繋がり、下げ潮には早い潮の流れが押し
出します。葦の根元には、さまざまな小魚たちが群れ集い、それを目当てに、水鳥の群れも集まっていたことでしょう。
時折水面に大きな水しぶきを立てるのはスズキかもしれません。密生する葦の間の水路には黒々とした背びれを、わずかにゆらし、王者の威厳を持ちながら、ゆったりと泳ぐ体高のある魚も見えたでしょう、大阪湾を象徴する魚「ちぬ(クロダイ)」の姿です。
あるとき、そうした海岸に沿って、底は丸太を刳り貫き、その上に船板を組み上げた、いまも埴輪にその姿が残っているような造りの船の一団が通り過ぎていきました。カムヤマトイワレビコ(のちの神武天皇)たちの一団でした。
遠く九州の日向を出発してから十六年余りの遠征の旅の終着としてなかつ国である大和を目ざして、葦の密生した河内(かわち)の孔舎衛(くさえ)坂から大和に入ろうとこころみ長髄彦たちの激しい抵抗にであって敗退し、兄の五瀬命は重傷を負っています。船を操っている若者たちは、髪を左右に分け、耳のところ
で耳頭良に結った姿です。
遠浅の砂浜の連続に、船を寄せる岸さえ見つからず、南へ辿るうちに、大津川の河口にさしかかります。大津(小津)とはその名の通り、河口にある船泊だったのです。
そのころ、大津川や、すぐ近くの春木川の中流付近には坂本氏、春木氏、そして茅渟(ちぬ、知奴、智沼、血奴)氏などの豪族が住みついていました。旅の人々を手厚くもてなすのが古代の人々のならわしです。傷ついた戦人たちに敵意がなく、しかもこの地に長く止まる野心がないと知ると、さまざまな食べ物を届けていたわります。このときに茅渟氏がもたらした
のが、後々、難波の宮の時代まで、茅渟氏が捧げる特権を持つにいたる「ちぬ」という名の魚であり、この魚が多くすむ海、すなわち大阪湾が「ちぬのうみ」という名でよばれる所以になったとされています。
いま、泉大津市に含まれ、いつのころからか助松とよばれていたあたりの松林の中には、たしか茅渟氏の小さな社が残されていたはずだと記憶しています。茅渟氏の人々は、きっと海辺で魚貝などを採取して暮らしていた海人たちの集団だったにちがいありません。遺跡からは網の下につけられていたであろう、素焼きで出来た中通しのオモリや、イイダコしか入れな
い小さな蛸壺も出土します。石を磨いて作った銛の先も出てきます。だが、釣りバリはあまり多くありません。遠浅の砂浜は、岸からの釣りにはあまり向いていなかったのかもしれません。
潟の中の汐は、雨が降れば、砂の底からにじみ出る雨水で甘くなり、海が荒れて大波が水路から打ち寄せれば、汐が濃くなります。こうして塩分の濃さが頻繁にかわる汽水域が「ちぬ」とよばれる雑食性の魚たちには格好の棲みかだったのでしょう。
風に吹かれてざわざわと鳴る葦の葉は、日差しをいっぱいにうけ、ふんだんに水の中に酸素を送り
込みます。葦の根方は、魚たちが卵を産み、稚魚が育つ間、大魚に襲われることなく、空を飛ぶ鳥たちからも守ってくれる安全このうえもない場所だったことでしょう。
それぞれの生き物たちが、生命を保つための最小限度の争いが繰り返されるだけの、ささやかで、おだやかな世界だったにちがいありません。葦の根を洗って流れる水は、美しく澄み切っており、さまざまな生き物たちの命をしっかりと支えてくれていたのです。
お付き合い
有り難う御座いました
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13READEN
[09/04 17:56]
物知りですねぇ.+(´^ω^`)+.
勉強なりました(。-`ω´-)v
ところで今晩出撃ですか?(笑)
やっちゃん
[09/04 18:01]
-->[13READEN]さんへ
ながながに付き合いしてくれたんや
ありがとう
う~ん
虫が動いとる
13READEN
[09/04 18:11]
-->[やっちゃん]さんへ
勉強なるんで最後まで読ませてもらいましたよ.+(´^ω^`)+.
虫が動く前に体か動くんちゃいます(笑)
やっちゃん
[09/04 18:13]
-->[13READEN]さんへ
けつかかんといてや~
ってかたぶん行くけど